熊本支社 楠営業オフィス
オフィス長(機関担当)
※取材当時
2007年入社 法学部行政学科卒
必ず、自分を見てくれている
人がいる。
「もう、来なくていい」。そのお客さまに初めてお会いしたのは入社してまだ間もないころだった。入社1年目。個人向け保険の販売をはじめたばかりの頃だ。お客さまのお宅に伺い、インターフォンを押しては、断られる。最初はその繰り返しだった。それでも、どんなに断られても、また、前へ。足が止まることはなかった。苦しい1年が過ぎようとする冬の日、いつものようにお客さまのお宅を訪問していると、以前「来なくていい」と怒鳴られたお客さまとすれ違った。「おはようございます」と挨拶すると、何故か自宅に招かれた。「暑い日も寒い日も、外に出ると君の姿を見た。君の勧める保険が見たい。何か提案してくれないか」。自分の仕事をいつも見てくれて、そんな言葉をいただけるなんて思わなくて。嬉しくて仕方なかった。努力を見ていてくれている人は必ずいる。この思いが私の仕事の原点だ。
Ⅰ期のころトップの成績を取った時に初めて自分で購入した記念の時計。ずいぶん使い込んだが、これを見るとがむしゃらな昔を思い出す。
考え方一つで、人は変われる。
「私、この仕事辞めようと思います」。オフィス長代理として赴任してすぐ、新人の生涯設計デザイナーから退社の相談を受けた。続けていく自信がないと言う。確かに仕事はうまくいっていないようだった。「私もサポートしますから、もう少し頑張ってみませんか」。次の日からつきっきりの指導がはじまった。お客さまからご契約をいただくうえで、最も大切になるのはお客さまとの信頼関係だ。いきなり、「保険に加入してください」と話したところで、契約がまとまるわけがない。どうやってお客さまと信頼関係を築くか。どれだけお客さまのことを考えられるか。お客さまのことを知り、お客さまのことを考えなければ良い保険は提案できない。そのことを何度も伝え、実際に実践させた。1件、また1件とお客さまから契約をいただくうちに、最初は戸惑っていた生涯設計デザイナーも次第に実力が付いていった。やり方次第で仕事は変わる。考え方一つで人は変われる。2年後、辞めたいと話していた生涯設計デザイナーはチームリーダーとしてチームの仲間を引っ張るまでに成長した。「辞めたい」という声は、聞かなくなった。
ふとした小物でも良い物を使う。それは常に自分を高めるため、そして自らの品格を表すことにも繋がる。候補生の頃に購入した思い出のペンだ。
育成の鍵は「目標」と「逆算」。
「4年連続の総合優等賞を狙おう」。これは私が赴任してすぐ、営業オフィスの全員に伝えた言葉。私が赴任したのは3年連続で本社表彰されるほどの優秀な営業オフィスだった。この流れを、私で止めるわけにはいかない。4年連続を達成するため、私が力を入れたのが新人育成だ。育成で大切なのは自主性を育むこと。仕事は言われてするものじゃない。自ら考え、行動できる生涯設計デザイナーを一人でも多く育てなくては。そこで必要になるのが「目標」と「逆算」。もちろん総合優等賞を狙うという目標は重要だが、それはあくまで1年の積み重ねの結果。新人の生涯設計デザイナーにはその「長期的な目標」を達成するためのマイルストーンのような「短期的な目標」が必要となる。今月どれだけ頑張ればいいのか。その具体的な目標を共有することで行動を具体的にすることができる。「逆算」ができるのだ。いつまでに、何をするか。どんなスピード感でしなくてはならないのか。そうすれば、あとは計画通りに進んでいるのか、その逆算に無理はないかとサポートしてあげればいい。新人の成長は営業オフィス全体にも好影響を及ぼし、3月、私たちは4年連続の総合優等賞を達成することができた。
当たり前の話だが、生涯設計デザイナーはここに働きに来ている。保険販売という仕事を通して、その対価をいただき、生活していく。しかし、生涯設計デザイナーには、その先を見てほしいと考えている。たくさんのお客さまとの出会い。営業オフィスの仲間との出会い。その出会いを通して、人間性を高めてほしいと思うのだ。そもそも、私が機関経営職を志望したのは、面接の際にお会いした先輩方に惹かれたから。「人間力」とでも言えばいいのだろうか。率直に、こんな人になりたいと思った。どうして、この人はこんなに魅力的なのだろうと考えたとき、それはきっと、出会う人の数が桁違いに多く、一人ひとりとの関係性が桁違いに深いからなのだろうと思った。あれから10年。私はこの仕事を通してたくさんの視点に触れることができた。ものの見方も変わった。その実感があるからこそ、生涯設計デザイナーにはここで働くことを通して、人間力を高めてほしいと思っている。そのために、自分に何ができるのか。私の試行錯誤はこれからも続く。