業務人財開発部 第五オフィス
2022年入社 法学部卒
保険が必要ない人はいない。それは福島で生まれ育ち、東日本大震災を経験した私の強い想い。これは、個人向けの保険提案において大きな武器となっていた。しかし提案先が企業中心となる機関経営職候補生Ⅱ期、状況は大きく変わった。想いだけでは通用しない。売上とシビアに向き合う経営者に、どうしたら興味を持って話を聞いていただけるのだろう。飛び込み先で厳しい意見を伝えられながら、私は考え続けた。手がかりとなったのは、やはり震災で目の当たりにした光景だった。保険は単に生活を支えるだけのものではない。人の夢を叶えるものでもあるということだ。そこで私が力を入れたのは、企業の展望について詳しくお話を伺うことだった。
「もう1店舗出したいんだ」。そんな希望を語ってくれた経営者に提案したのは、感染症に起因する売上損失をカバーする保険。新型コロナウイルスの罹患により出勤人数が減り、売上が下がった場合も経営の安定をサポートできる商品だ。「こんな保険もあるんだね。これならコロナ禍でも新規出店に踏みだせそうだよ」と、経営者の顔がほころぶ。私が提案しているのは保険だ。でも、こんなふうにも考えている。私は経営者の夢を共に追っているのだと。
「社長とお約束ですね。どうぞこちらへ」。案内されたのは、あるプライム上場企業の自社ビルの最上階。この日は、Ⅰ期でお世話になったお客さまからご紹介いただいた、社長へ初めてのご提案だった。会社のホームページを読み込み、シミュレーションも重ねた。準備は完璧だ。私が資料を広げ、ご案内を始めようとした時だった。「いいから。君が提案したい商品、そのメリットとデメリットをパパッと説明して」。正直、面食らった。今までさまざまな経営者と会ってきたが、これほどプレゼン能力を試されていると感じたことはない。そしてこの瞬間、これが日本を支える経営者の姿なのだと思い知った。これが分単位でスケジュールに追われ、何万人という社員を抱え、国内外の株主の責任を負う経営者と向き合うことなんだ。
説明をしながら、私はびっしょり汗をかいていた。なぜ社長は、こんな若手に時間を割いてくれるのだろう。社長は「私も若い頃は営業で苦労したんだ。君は頑張っているなと思って声をかけたんだよ」と言い、最後に「また来なさい」と去っていった。この企業とは、まだご契約には至っていない。でもいつか社長をうならせる提案をしたい。それまで何度だって通い続けるつもりだ。
学生時代は野球ひと筋だった。高校はキャプテンとして甲子園出場を叶え、大学では副キャプテンとして日本一を手にした。そんな私が思う理想の組織の長とは、応援されるリーダーだ。どんなに知識や技術に長けた人より、この人のために頑張りたいとプレイヤーに思われる人のほうが、本当に強い組織を作れると思うからだ。
お手本にしたい人の一人が、Ⅰ期で指導してくれたオフィス長だ。当時、私は思うように契約につなげることができなかったのだが、ある日「お客さまが待ってるぞ」と、送り出された。こんなに断られ続けているのに、そんなはずない、と正直思った。しかし営業先に行くと、本当にお客さまは玄関先まで私が来るのを待ってくださっていた。オフィス長は自身の経験からわかっていたのだ。結果はすぐ出なくとも、今の積み重ねはきちんと未来につながっていることを。後輩のⅠ期の指導を担うようになった今、私は当時のオフィス長の気持ちを想像しながら彼らと向き合っている。まずは自分が現場で、良い経験も苦い経験もできるだけたくさん積んでいこう。そうして自らの姿勢を見せていくことが、将来多くの人を率いるオフィス長となった時に大切な力になると信じて。
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前日の成果の報告や、商品理解を深めるためのワンポイント研修を行う。
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チームミーティングで個々の案件の進捗を確認。後輩の活動内容を聞いて、意見交換も行う。
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訪問するお客様の関連HPや業界ニュースを事前にチェック。ご紹介する商品に合わせて資料を準備し、お客さまのもとへ。
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活動内容を上司に報告。その日の活動をフィードバックし、先輩や同期の仲間にもアドバイスを求める。
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翌日の提案に向けて準備する。保険設計書の作成を行うほか、お客さまに電話をかけ、次のアポイントを取り付ける。